2022/9/9 東京二期会 蝶々夫人 ― 2022年09月09日 21:25
二期会創立70周年記念公演
東京二期会オペラ劇場 「蝶々夫人」
日時:2022年9月9日(金) 14:00 開演
会場:新国立劇場 オペラパレス
指揮:アンドレア・バッティストーニ
演出:栗山 昌良
管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団
出演:蝶々夫人/木下 美穂子
スズキ/藤井 麻美
ケート/角南 有紀
ピンカートン/城 宏憲
シャープレス/成田 博之
ゴロー/大川 信之
ヤマドリ/杉浦 隆大
ボンゾ/三戸 大久
神官/的場 正剛
合唱/二期会合唱団、新国立劇場合唱団、
藤原歌劇団合唱部
演目:ジャコモ・プッチーニ/蝶々夫人 全3幕
バッティストーニのオペラは、数年前に「リゴレット」と「トゥーランドット」を観て以来、今日で3度目。この「蝶々夫人」は、二期会創立70周年の記念公演のひとつ。演出が栗山昌良というのも魅力。
「蝶々夫人」は、もちろん歌劇だからずっと音楽が鳴り響き、「ある晴れた日に」などの有名なアリアも含むのだが、筋書きが荒唐無稽でなく、現実味があって、どうしても舞台や演技のほうに目が向く。
そういう面で栗山演出は見ごたえがあった。障子と屏風で大きく空間を切り取り、枝垂桜の樹が何本か配置してある。そして障子にあたる光が時間の経過をあらわして行く。美術、衣装、照明が一体となって、日本的なリアリティある美しい舞台をつくっていた。登場人物の所作も熟考されている。二期会の定番プロダクションと言っていいのだろう。
歌手陣は演技ともども全員安定しており、役による好不調がなく、安心して観ることができたし、聴くことができた(ゴローは升島唯博が体調不良で大川信之に変更)。バッティストーニも劇的な要素を強調し、緩急・強弱を使いこなした歯切れのいい音楽で支えた。
それにしても、ピンカートンは、劇中の人物とはいえ下衆野郎で腹立たしい。
蝶々さんとピンカートンの物語は、いまだに日本と米国との関係を象徴しているようで、苦笑いを押し隠すほかない。