アバター32026年01月28日 17:21



『アバター ファイヤー・アンド・アッシュ』

原題:Avatar: Fire and Ash
製作:2025年 アメリカ
監督:ジェームズ・キャメロン
脚本:ジェームズ・キャメロン
   アマンダ・シルバー 他
音楽:サイモン・フラングレン
出演:サム・ワーシントン、シガニー・ウィーバー、
   ゾーイ・サルダナ、ケイト・ウィンスレット


 前作の『アバター2』のあと、これは第1作だけを観れば十分、と思ったけど、新作の評判が良さそうなので、公開されて1カ月以上も様子見したあと、性懲りもなく観に行くことにした。

 惑星パンドラにおける獰猛な侵略者である人間たちスカイ・ピープルと、原住民ナヴィたちとの戦闘を、両者のハイブリッド・クローンであるアバターを主人公にして描く。そのプロットはもちろん前2作と同様である。
 今回はナヴィでありながらパンドラの支配を目論むアッシュ族が人間たちと手を組み、アバターであるジェイク(サム・ワーシントン)やその妻ネイティリ(ゾーイ・サルダナ)、家族たちを襲う。
 悪役となるアッシュ族のリーダーであるヴァランはウーナ・チャップリンが演じている。ウーナはチャールズ・チャップリンを祖父に持つスペインの女優で、荒々しくもエネルギーに満ちた演技で際立っていた。

 この映画の映像技法はやはり最先端を突っ走っており、驚くばかりの画像、驚愕の造形ではあるものの、物語としては繰返しのようで目新しさがない。シリーズを製作するにあたって監督のジェームズ・キャメロンは何を訴えたいのか、シリーズとしての必然性がもうひとつ伝わってこない。
 ルーカスが製作した『スター・ウォーズ』は同じくSFのシリーズものだが、少なくとも1~6作はスカイウォーカー家の親子を中心に物語が紡がれ、それにアクションが掛け合わされ、サーガとして壮大に拡張していく。
 『アバター』シリーズでも家族の葛藤などは織り込まれているけど、ストーリーそのものは起伏と意外性に乏しくエピソードの積み重ねに過ぎない。メインは美麗な画像と派手な活劇であり、観客もそこに注意を集中させられる。観るべきはキャプチャー技術とCGで精緻に描画した濃密な映像世界となってしまう。

 『アバター』は5部作として予定されているが、3作まで観た限りでは物語が徐々に成長・発展していく長大なサーガという感じを受けない。音楽でいうならば多楽章構成の交響曲というよりは華麗な変奏曲のようなものだ。
 この筋書きで3時間半の上映時間は長い。半分の時間、いやせめて3分の2の、2時間で収まっていれば、もっと凝縮した感動が得られたのではないかと思う。

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