2022/9/18 ショハキモフ×東響 プロコフィエフの「交響曲第5番」2022年09月18日 19:16



東京交響楽団 川崎定期演奏会 第87回

日時:2022年9月18日(日) 14:00 開演
会場:ミューザ川崎シンフォニーホール
指揮:アジス・ショハキモフ
共演:トランペット/ティーネ・ティング・ヘルセット
演目:ドビュッシー/「管弦楽のための映像」より
          「イベリア」
   トマジ/トランペット協奏曲
   プロコフィエフ/交響曲 第5番 変ロ長調 op.100


 東響の演奏会は4カ月ぶり。川崎定期は年5回の開催だから、東京定期や名曲全集などに参加しないと、こんなに間が空くことがある。それに今年はモーツァルトマチネや、フェスタサマーミューザの東響をパスしているので尚更。
 今日の指揮者は珍しくもウズベキスタン出身。「グスタフ・マーラー国際指揮者コンクール」で第2位を獲得したあと、現在はストラスブール・フィルハーモニー管弦楽団の音楽監督に就いているアジス・ショハキモフ。年齢は30歳半ば、4・5年前に読響を振っている。

 プロコフィエフの「5番」は、同じショハキモフがFrankfurt Radio Symphonyを指揮した演奏がYouTubeにあがっている。これで予習をした。
 パンフレットの写真やYouTubeの映像では、ずんぐりむっくりの体型に思えたが、実物を観てびっくり。随分身体を絞ってきた。黒いスーツ姿、細身のパンツ、足は長いし、背も高い。手先をブルブル震わせて指揮するところは、ゲルギエフそっくりで笑えるが、なかなか好青年だ。
 ショハキモフはとにかくオケを気持ちよく鳴らす。これだけ湿気の高い悪条件なのに弦も十分に音が出ていた。もともと強力な木管群に、金管、打楽器が大活躍で、濃厚な管弦楽を堪能した。
 プログラムノートによると、第2楽章はバレエ「ロメオとジュリエット」から破棄したハッピーエンドの音楽を用いたものらしい。たしかに「ロメオとジュリエット」の一連の音楽のなかに置いて可笑しくないし、交響曲のスケルツォとしても、中間部のワルツを含めて、今回の演奏の白眉であった。
 弦は16型で、コンサートマスターはニキティン、隣のアシスタントは廣岡克隆。廣岡さんはすでに楽団長に就任している。演奏業務を離れるはずだけど、まだ弾いている。演奏会のあと調べてみると、10月末までは事務と演奏を兼務するということだった。

 前半はドビュッシーで開始。幾つかある「映像」のうちの最も有名な「イベリア」。色彩感があり、リズムも鋭く、音量はやはり大きめ。踊っているような指揮姿ともども躍動感あふれる演奏だが、ドビュッシーの音楽にしてはやや重いかな、という印象。
 次いで、トマジの「トランペット協奏曲」、ヘルセットは軽々と伸びやかに吹いていた。2種類のミュートを使い分け、音色の違いも鮮やか。スネアドラムとの掛け合いで吹いたカデンツァが秀逸。演奏するには難曲だと思うが、曲全体の雰囲気はジャズ風味が見え隠れする音楽。
 ソリスト・アンコールは、ヘルセットと同じノルウェーの作曲家オーレ・ブルの「ラ・メランコリー」だという。

 予習したYouTubeのFrankfurt Radio Symphonyの「5番」は次の通り。

 https://www.youtube.com/watch?v=AWWxGl1X4v0

 今日の演奏会はニコニコ動画で配信された。

 https://live.nicovideo.jp/watch/lv336342102