2023/4/22 ウルバンスキ×東響 「新世界より」2023年04月22日 22:20



東京交響楽団 名曲全集 第186回

日時:2023年4月22日(土) 14:00開演
会場:ミューザ川崎シンフォニーホール
指揮:クシシュトフ・ウルバンスキ
共演:ピアノ/ヤン・リシエツキ
演目:メンデルスゾーン/「真夏の夜の夢」序曲
   ショパン/ピアノ協奏曲 第2番 ヘ短調 op.21
   ドヴォルザーク/交響曲 第9番 ホ短調 op.95
         「新世界より」


 先日の定期公演に比べてお客さんの入りは上々、ほぼ満席だった。プログラムのせいなのか、ソリスト目当てなのか。
 そのリシエツキ、序曲「真夏の夜の夢」のあと舞台にピアノが置かれ、ウルバンスキと並んで登場した。二人ともイケメン、上背はほぼ同じ、体型も似ている。贅肉のない身体、長い手足。リシエツキのほうがちょっと背が高く細い。ポーランド系のカナダ人だから、作曲家、指揮者ともどもポーランド繋がりである。

 ショパンの「ピアノ協奏曲第2番」。リシエツキの語り口の上手なこと。恋物語を聴かされているよう。音がキラキラと宙に舞う。第2楽章の美しさに眩暈を覚えた。第3楽章の舞踏のリズムも自然で心地よい。リシエツキはコンクール歴のない若者だが、15歳にしてドイツ・グラモフォンと契約したという。微妙な音色の変化やテンポの揺れを伴いながら情熱をこめて歌う。とても20代とは思えない、手練れと言っていいほど。
 ウルバンスキは協奏曲でも暗譜。リシエツキとはNDRエルプフィルハーモニー管を使って複数の音盤で共演している。とうぜん絶妙の呼吸で支える。貴公子然としたリシエツキには、東響のノーブルで熱量の高い音が似合っていた。

 ドヴォルザークの「交響曲第9番」は、アイデアが詰まった演奏。イングリッシュホルンは舞台に向かって左手の3階バルコニー席で吹いた。「家路」の旋律が天から降ってくる。その第2楽章の終結はパウゼを目一杯とり、さらに弦楽器が最弱音で余韻をたっぷり残す。弦の響きは全曲にわたって拘っていた。「真夏の夜の夢」の冒頭、管楽器の和音のあとの弦楽器の8分音符が続くフレーズも新鮮な響きだったが、ドヴォルザークでは弦5部の特性を細やかに使いわけ、ヴァイオリンはもちろんヴィオラ、チェロ、コントラバスのそれぞれが終始ゾクゾクするような音を出していた。スケルツォから終楽章へは大胆に音を積み重ね巨大な結末を築いた。この曲で木管がベルアップするのも珍しい。「新世界より」は、あまりに有名で手垢のついた曲だと思っていたけど、まだまだこんな清新な解釈ができることに驚いた。ウルバンスキの期待に違わない名演だった。

 フルートのトップには、この4月シティフィルから移籍した竹山愛さん。もともと優秀なシティフィルの看板奏者だった人。東響の木管に新しい魅力が加わった。オーボエの荒、クラリネットのヌヴー、ファゴットの福井は今まで通り盤石。ホルンは首席が2人抜け、どうしてもゲスト頼み。今日トップには都響の有馬さんが座っていた。
 東響の採用欄を見ると、首席の公募はオーボエとコントラバスのみで、ホルンは募集をしていない。フルートのように水面下で採用の話が進んでいるのかもしれない。早く体制を固めてほしい。
 とは言っても、東響の今シーズンの出足は絶好調、演奏についてはこの調子で突っ走ってもらいたい。

 今日の演奏は、ニコニコ動画で配信された。いつものように暫くは見逃し視聴ができる。

https://live.nicovideo.jp/watch/lv340478418

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