あじさい寺 後編 ― 2022年06月17日 17:20
あじさい寺といえば明月院、明月院といえばあじさい寺。朝9時前に、その明月院へ。
しばし並ぶことを覚悟していたが、幸運にも拝観手続きまでの待ち時間はゼロ。もちろん境内に入ると凄い人。ツアーの老人たちや高校生の団体も混じっているものの、平日だというのに若い男女や女性たちの小グループが目につく。原宿の雑踏以上か。
長蛇の列は何かと思えば、本堂の丸窓「悟りの窓」を撮影するためだという。仕方なく30分ほど並んだ。丸窓の前に立ったとき、リスが一匹現れた。壁を垂直におりて、畳の上にちょこんと座った。スマホのカメラを向けたら奥の「悟りの窓」をほうに走り去って見えなくなった。
明月院の紫陽花は数・種類とも桁が違う。過去、3、4度は訪れているが、紫陽花がこれほど壮観なものとは思わなかった。微妙に季節がずれていたのだろう。今年はぴったしの時期に訪れることができた。圧巻、明月院ブルーの景色を堪能した。
線路を挟んで反対側に浄智寺がある。
谷戸に堂宇を並べた簡寂な佇まい。境内には天然記念物のビャクシンやコウヤマキが聳える。紫陽花も野趣あふれ、明月院とは別世界。
人もまばらでゆっくり散策できる。木造の文化財が多くあり、本尊の三世仏坐像、達摩大師像、観音菩薩立像などが安置されている。洞窟には布袋尊も祀られている。今まで、あまり拝観したことはなかった。山寺のような雰囲気もある。大いに気に入った。
浄智寺から北鎌倉駅のほうへ少し戻ると東慶寺である。
北鎌倉へ来れば必ず立ち寄るお寺。紫陽花もそこかしこに花をつけているが、自己主張することなく沈静し、簡素な境内の風景に溶け込んでいる。ここは何時の季節に来ても素敵な空間だ、心が落ち着く。
東慶寺は境内撮影禁止となった。それでもカメラやスマホを操作する幾人。この程度のルールは守りましょうよ。
三つのお寺を拝観したらお昼になった。
午後の時間はいつもの食事処で過ごした。前回は「蔓延防止措置」が実施されていた2月で、われわれ1組だけだったが、今日は満席。美味しい食事を提供してくれる場所である。お客が戻ってきて良かった。
北鎌倉駅に着いたら、もう3時になっていた。