ベスト・キッド レジェンズ2025年09月17日 16:33



『ベスト・キッド レジェンズ』
原題:Karate Kid: Legends
製作:2025年 アメリカ
監督:ジョナサン・エントウィッスル
脚本:ロブ・ライバー
音楽:ドミニク・ルイス
出演:ジャッキー・チェン、ラルフ・マッチオ、
   ベン・ウォン、セイディ・スタンリー


 『ベスト・キッド』の第1作は40年ほどまえ劇場で観た。いじめられっ子の高校生ダニエル(ラルフ・マッチオ)が、空手の達人ミヤギ(ノリユキ・パット・モリタ)と出会い修行を重ね、空手大会で因縁の相手に勝利する。大ヒットして幾つか続編が作られた。15年ほどまえには、ウィル・スミスの息子とジャッキー・チェン主演でリメイクされた。これも劇場で観ている。
 今回の『ベスト・キッド レジェンズ』では、オリジナル版でダニエルを演じたラルフ・マッチオと、リメイク版でカンフーの師匠ハンを演じたジャッキー・チェンが共演を果たし、空手とカンフーという二つの世界が融合する。

 北京でハン(ジャッキー・チェン)からカンフーを教わっていた高校生のリー(ベン・ウォン)は、最愛の兄を失ったことでカンフーを封印し、母と2人でニューヨークに移住する。リーは学校やクラスメイトとなじめず、いじめや争いごとなど様々なトラブルに巻き込まれてしまう。そんな中、友人であるピザ屋の親父と娘から助けを求められ彼らのために戦うことを決意する。しかし、リーはカンフーの力量さえ十分ではない。師匠のハンはカリフォルニアに住む空手の達人ダニエルを訪ねリーへの助けを求める。リーはハンとダニエルという2人の師匠の手ほどきで、空手とカンフーという異なる技を武器に格闘大会に挑む。

 物語はオリジナルやリメイク版の焼き直し。お決まりの筋書きだが、数十年を経たラルフ・マッチオとジャッキー・チェンが同じ画面に登場して胸アツになること請け合いである。高校生役のベン・ウォンと恋人でありピザ屋の娘役のセイディ・スタンリーが初々しい。リーの母親役ミンナ・ウェンとピザ屋の親父役のジョシュア・ジャクソンもいい味を出している。
 全体にコミック調で軽薄なところはあるし、展開はご都合主義だけどテンポは軽快。エネルギッシュでダイナミックな乗りのいい音楽も楽しめる。肩肘張らずゲーム感覚で気楽に観るにはちょうどいい。画面はスタンダードサイズに近く、上映時間は約90分、昭和の香りのする映画である。ミヤギへのオマージュが其処彼処に散りばめられているのも微笑ましい。

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