12月の旧作映画ベスト32023年12月30日 09:23



『F.L.E.D./フレッド』 1996年
 シドニー・ポアチエとトニー・カーティスが主演した『手錠のままの脱獄』(1958年)のリメイクというが、ストーリーは別物。『マトリクス』のローレンス・フィッシュバーンとアレック・ボールドウィンの弟スティーヴン・ボールドウィンが共演している。まるで往年の海外TVドラマを観ているみたい。日本では劇場未公開でVHS販売が最初だったようだ。バスが爆発し、銃弾が飛び交い、お決まりのカーチェイス、ロープウエイでの死闘などがてんこ盛り。そして、女優たちは魅力的。ほろ苦いハーピーエンド。バイオレンス・アクションにしては、拳銃を打ちまくるわりに当たらないし、それほどエグいわけでもない。アートの欠片もなく、これぞB級映画、娯楽映画のお手本のような作品。

『かもめ食堂』 2006年
 劇場はもちろん配信においても邦画をあまり観ないのだけど、この映画は観賞の都度楽しめそう。脚本・監督は荻上直子、原作は群ようこの同名小説。群さんの作品は読んでいないから、本との比較や違いはよく分からない。映画だけでいえば個性派3女優のほんわかとした雰囲気に何ともいえず癒される。フィィンランドの首都ヘルシンキの街角にある「かもめ食堂」、食堂を営む小林聡美とひょんなことから食堂を手伝うことになった片桐はいり、もたいまさこの3人の女性が主人公。海外を舞台にのんびりとした時間が流れていく。特別な事件は起きない。フィィンランドの人々との心温まる交流が淡々と描かれる。劇中のコーヒーとおにぎりと焼き鮭がおいしそうだった。

『チケット・トゥ・パラダイス』 2022年
 ジョージ・クルーニーはタキシードがよく似合う。ジュリア・ロバーツのフォーマルドレスも完璧。2人は元夫婦という設定。夫婦生活は早くに破綻し、その後は愛娘リリーのためにだけの関係を続けてきた。そのリリーが卒業旅行にバリ島へ行く。数日を経て、娘からバリ島の現地青年と結婚式を挙げる、という連絡が入る。弁護士になる夢を捨て、一時の情熱に浮かされスピード婚なんてとんでもない。自分たちと同じ過ちを繰り返してほしくない。愛娘の結婚を阻止するため2人はバリへ飛ぶ…脚本・監督は『マンマ・ミーア! ヒア・ウィー・ゴー』のオル・パーカーだから、ロマンチック・コメディはお手のもの。バリ島の美しい風景を眺めながら頬が緩みっぱなし。

コメント

トラックバック