砂浴び ― 2023年01月19日 11:48
こじんまりとした花壇が設えてある。正方形と長方形の小さなブロックプランターを2個ずつ並べたもの。そこに季節ごとの様々な花をとっかえひっかえ植えてきた。
いまはナデシコとウインターコスモス、それにカーネーションが元気で、3個のプランターを1年以上も占領している。残りの1個はケイトウを駄目にしたあと、そのまま空き地になっている。
最近、その空いた花壇にスズメがやってきて、砂浴びをするようになった。
ある日の朝、20羽近くが集まった。ほとんどのスズメは庭の土のうえを飛び跳ねながら何かを啄んでいるのだけれど、そのうちの3羽ほどが交代で砂浴びをしだした。足と嘴と頭で花壇の土をかき分け、羽をふくらましてブルブルする。ひと時、砂浴びをして立ち去ったあとには、とうぜん穴ぼこができていた。
庭に餌をまいているわけでない。プランターには砂でなく培養土が入っている。スズメが寄りつくのも砂浴びをするのも理由はよくわからない。
毎日ではなくたまのことであっても、このスズメたちの仕草はなかなか愛らしい。思わず見とれてしまう。シジュウカラやメジロ、ヒヨドリなども訪れるが、スズメほど大胆ではない。地面には降りないし、窓の内側の人の気配を感じると逃げてしまう。
ありきたりのスズメとはいえ、こんな何の取り柄もなく面白味のない狭い庭に来て、気持ちよく戯れてくれる。その親しげな姿は可愛くて癒される。
この穴ぼこの小さな花壇、しばらくはこのまま放置しておこうかと思っている。