2022/7/26 秋山和慶×洗足学園音大 ラヴェルのバレエ音楽 ― 2022年07月27日 10:43
フェスタ サマーミューザ KAWASAKI 2022
洗足学園ニューフィルハーモニック管弦楽団
日時:2022年7月26日(火) 18:30開演
場所:ミューザ川崎シンフォニーホール
指揮:秋山 和慶
共演:バレエ/洗足学園音楽大学バレエコース、
谷桃子バレエ団、東京シティ・バレエ団、
牧阿佐美バレヱ団
演目:ラヴェル/マ・メール・ロワ
ラ・ヴァルス
ボレロ
ダフニスとクロエ 第2組曲
バレエ付のラヴェル音楽。オケはピットに入らず舞台の奥。照明を落とし、譜面灯を使う。オケの前面でバレエが繰り広げられる。
「マ・メール・ロワ」、おとぎ話の世界。おおもとはピアノ連弾で、その後管弦楽組曲が編まれ、さらに後年、依頼されて前奏曲とか複数の間奏曲を付け加えバレエ曲に仕立てられた。
今回の公演はこのときのバレエ編曲ではなくて管弦楽組曲のほう。眠りの森の美女、おやゆび小僧、パゴダの女王、美女と野獣、妖精の園の5曲。
照明は踊り手に当たり、ダンサーも動き回るから視覚的にはそちらに目が行くが、バレエに不案内なこともあって、意識はほとんど耳、音楽のほうに向いていた。
オケはコントラバス4、チェロ6にもかかわらず低域も十分。洗足学園ニューフィルハーモニック管弦楽団は、プロのオーケストラをめざす若手プレーヤーが学内外から集まって演奏活動を行っている団体らしいが、5曲それぞれを見事に描き分けてくれた。
「ラ・ヴァルス」は、ワルツというにはちょっと不気味で激しい。ウインナーワルツを称えたものらしいが、優雅にはほど遠い。ワルツらしいのは中間部だけで、終幕にさしかかるにつれリズムもテンポも乱れ、転調を繰り返す。ちょっと精神の安定を欠いているような感じ。
「ボレロ」は久しぶりに聴いた。やはり、これは「春の祭典」と並ぶ衝撃的な曲。繰り返しとクレッシェンドと色彩の変化が、このように身体を興奮させる。オケの各奏者もなかなか達者で感心した。
「ダフニスとクロエ」は、本来の合唱を伴う大規模なバレエ曲ではなくて第2組曲。組曲というよりはオリジナルの3場をほぼ抜粋したもの。夜明け、パントマイム、全員の踊り、という構成。
ここでは衣装からして題名役がはっきり分かる。踊りも少しは筋書き的。クロエを演じた小柄な女性の動きが鮮やかで、はじめてバレエのほうを意識した。
今回、ダンサーのほとんどは洗足学園のバレエコースの生徒、男性ダンサーの一部にプロが参加していた。メンバー表を見ると、クロエを演じたのは2年生ということで二度びっくり。バレエはよく分からないが、どんな職能でも才気というものは自ずから目立つ。
演奏は迫力十分、音がわずかに濁ったのが惜しかった。
指揮の秋山さんはじめ、各バレエ団の振付、指導は年配者だろうけど、演奏や踊りを担ったのは若い人たち。エネルギーに溢れ、いかにも夏祭りの一夜だった。