2022/8/28 侍BRASS 舷牆2022年08月28日 21:57



侍BRASS 2022 〈舷牆〉

日時:2022年8月28日(日) 15:00開演
場所:東京オペラシティコンサートホール
出演:トロンボーン/中川 英二郎(楽団長)
   トランペット/小澤 篤士
          本間 千也
          浦井 宏文
          オッタビアーノ・クリストーフォリ
   ホルン/森 博文
   ベーストロンボーン/野々下 興一
   ユーフォニアム/齋藤 充
   チューバ/次田 心平
   パーカッション/岩瀬 立飛
演目:1部
   中川英二郎/舷牆
   中川英二郎/鍔音
   滝澤俊輔/宝船
   鹿口 誠/エルトゥールルの奇跡
   中川英二郎/侍
   2部
   リムスキー=コルサコフ(高橋宏樹 編曲)/
    シェエラザード
   中川英二郎/跳ね馬の背に
   石川亮太/海賊弁慶丸
   エンニオ・モリコーネ、ニーノ・ロータ、
    ニニ・ロッソ(中川英二郎編曲)/マカロニ侍
   ビル・コンティ(エリック・ミヤシロ編曲)/
    ロッキーのテーマ  


 2006年に結成された金管アンサンブルの侍BRASS、毎年夏に開催されるコンサートに初見参。
 今年のタイトルは舷牆(げんしょう)。舷牆とは、船から人の転落や波浪を防ぐため、甲板の両舷側に設けた鋼板の柵、と書いてあった。
 2階、3階のバルコニー席に少し空きがあったが、客席はほぼ埋まっていた。盛況である。客層も若い女性が半数くらいを占めていた。いまはどこの学校にも吹奏楽部があって、多くの少女たちの人気を集めている。そんな関係もあるのだろう。

 侍の一人、東響のトランペット首席の澤田真人は、コロナ陽性のため浦井宏文に変更するとの案内が数日前にあった。そして、会場でプログラムを見ると、これもトランペットのエリック・ミヤシロがコロナの濃厚接触者でアウト、小澤篤士に代わり、楽曲も3曲が差し替えとなっていた。
 エリック・ミヤシロの出演不能は当日の朝のことだったという。緊急事態である。楽団長の中川英二郎はトークのなかで「テンパっている」と嘆いていたが、こんな事態でメンバーと演目を調整し、音楽を合わせて来るとは、驚くべき人達である。演奏会は恙無く終わった。

 出演者は全部で10人だが、楽曲によって編成は様々。
 スタートは中川英二郎が作曲した「舷牆」、中川と都響・野々下の2本のトロンボーンがフィーチャーされた。1部の終わりの「侍」は読響のチューバ奏者次田心平のソロだった。
 2部に入って「跳ね馬の背に」は「Figurehead」からの変更。中川のトロンボーンと日フィルのソロ・トランペット奏者オッタビアーノ・クリストーフォリとの二重奏。続く「海賊弁慶丸」はホルン森博文とユーフォニアム齋藤充の協演。
 「マカロニ侍」はクリストーフォリが主役で、イタリアの有名な3人の作曲家のオムニバス。これも「トランペット吹きの休日」の代替曲。クリストーフォリは日本語も話も上手で笑わせる。もちろん音は低音から高音まで滑らかで美しい。
 最後は「ロッキーのテーマ」、当初「パイレーツ・オブ・カリビアン」の予定だった。急遽代役を務めた小澤篤士をフィーチャーし、小澤はエリック・ミヤシロ並みのハイトーンで決めるという離れ業を披露した。岩瀬立飛の余裕のパーカッション・ソロも印象的だった。

 大波乱の航海だったが、終わってみればバラエティ豊かなブラスアンサンブルに会場は大いに沸いた。アンコールは「宝島」と「剣」。

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