2022/10/22 ノット×東響 ブルックナーの「交響曲第2番」2022年10月22日 18:50



東京交響楽団 川崎定期演奏会 第88回

日時:2022年10月22日(日) 14:00 開演
会場:ミューザ川崎シンフォニーホール
指揮:ジョナサン・ノット
演目:シェーンベルク/5つの管弦楽曲 op.16
   ウェーベルン/パッサカリア
   ブルックナー/交響曲 第2番 ハ短調

          
 16日に引き続いてノット×東響。
 客の入りは芳しくない。3、4階席はガラガラで1割も埋まっていない、全体でも3割程度、せいぜい4割ほどだろうか。
 新ウィーン学派の2曲とブルックナーの初期交響曲では集客は難しかろう。明日のサントリーホールでの東京公演は、もう少しお客が集まるかも知れないが。
 
 シェーンベルクとウェーベルンは決して聴きやすい曲ではないが、特異な響きが面白く、精緻な演奏と相まって最後まで飽きることがなかった。こういった曲を聴かせるときのノットの手際の良さにはいつも感心する。

 ブルックナーの「交響曲第2番」は、基本ノーヴァク版第2稿によるものの、第1稿に準じて第2楽章と第3楽章の順序を入れ替えて演奏された。ノットの強い要望によるものとのことだが、楽章の入れ替えだけでなく、各稿の捨てがたいところもノットが取捨選択して演奏したようだ。
 もっともブルックナーの複雑な版問題など素人には理解不能、まして、演奏される機会の少ない初期作品の楽譜に、どう手を入れようと聴いただけでは分かりはしない。
 ただ、ノットの指揮はマーラーやショスタコーヴィチより、ブルックナーのほうが断然合っている。細部へのこだわりが、ショスタコーヴィチには悪さを及ぼし、ブルックナーには上手く作用するのは、どうしてなのか理由はよく分からない。いずれゆっくり考えてみたい。
 東響の演奏は献身的で、16型の弦はそれぞれがよく歌い、木管群は相変わらず美しい。フルートの相澤さんが珍しく2番に座っていた。トップはゲストだったかも知れない。ホルンは難しいソロが幾つかあったけど上間さんが完璧に吹いた。ノットも終演後一番先に上間さんを讃えていた。

 今日の演奏はニコニコ動画でライブ放送された。1週間ほどはタイムシフト(見逃し)配信で視聴できる。

 https://live.nicovideo.jp/watch/lv336115839