下草2022年05月08日 15:08



 金木犀(キンモクセイ)の足元に幾種かの下草が植えてある。奥に五色南天(ゴシキナンテン・別名お多福南天)が3株、その左右に富貴草(フッキソウ)と吉祥草(キチジョウソウ)。富貴草の手前に初雪葛(ハツユキカズラ)、吉祥草の手前に白竜(ハクリュウ)。そして、正面に大崖石榴(オオイタビ)とリシマキア(別名オーレア)、さらには、藪柑子(ヤブコウジ・別名十両)である。いかにも、名前だけでも縁起がよさそうな下草が元気よく集まっている。

 大崖石榴(オオイタビ)とは聞きなれないが、フィカス・プミラという名で知られる観葉植物と同じ。園芸品種のサニーホワイトは班入りの小さな丸い葉を沢山茂らせ、100均でも扱うくらい広く流通している。フィカス・プミラとは名前からして洋物風だが、実際は仰々しい和名を持つ日本各地に自生する常緑のツタである。手持ちのオオイタビの葉は班入りではなく緑一色の原種に近いもので、さまざまな下草の中にあっても落ち着いた雰囲気で収まっている。ただ、このオオイタビ、幼木のうちは繊細な観葉植物そのものだが、古株になると葉も大きく別の植物かと思われるほどに成長するらしい。登攀力が強くボリュームも出てくるため、こまめに刈り込んで小さく仕立てるなど、ちょっと注意をしなければならないようだ。

 いま、リシマキアの黄色い花が咲き出している。リシマキアも種類豊富なサクラソウ科の観葉植物。植えたミッドナイトサンという品種は、銅葉がシックで黄色い花との対比が美しい。毎年リシマキアは匍匐しながら領土を広げている。主にオオイタビとの陣地争いで、今のところリシマキアのほうが優勢だ。富貴草もようやく花を付けはじめた。吉祥草に花を咲かせると縁起がいいと言われるが、これは残念ながらまだ花を見ていない。

 肝心の主人公である金木犀は、いつまでたってもひょろひょろと頼りない。もともと1m足らずの幼木だったうえ葉が病気がちでなかなか順調に生長してくれない。下草たちの勢いを少し分けて貰うといいのに。