山法師(ヤマボウシ) ― 2022年04月12日 08:20
植えて3年ほど経った小さな山法師をこの2月に移植した。植え替えの適期ではあったが、少々荒っぽく扱ったから上手くいったかどうか不安だった。
今年の春は、どういうわけか樹々の花や新芽が旺盛で、沈丁花や海棠、満天星はよく花が開き、金木犀や月桂樹、五色南天はよく新芽をつけた。
そのなかで山法師は沈黙したまま。
もともと芽吹きの遅い樹ではあるものの随分心配した。ようやく今朝、2、3箇所の見るからに固い冬芽の殻が破れ、柔らかな緑の葉が顔を出した。よく見ると他の芽も灰褐色から薄く黄色に変化している。これから次々と緑葉になってくれるだろう。
まずは一安心である。しかし、根が傷んでいることは確かで、この先とくに1年は十分用心しなくてはならない。
花が咲くのは樹がもっと大きくなってからと思うが、名前通りの、僧侶の頭に白い頭巾をかぶったような山法師の花を見たいものだ。
<ヤマボウシ>
ミズキ科の落葉高木、日本では山地において普通に自生する。アメリカ産の「ハナミズキ」は近縁種。最近では常緑の「ホンコンエンシス」や「ヒマラヤエンシス」なども庭木として流通している。
落葉の「ヤマボウシ」は、日本の気候風土に合うので育てやすい。明るい新緑、清楚な花、果実、紅葉など四季折々の姿を見せてくれる。放任しても成長が遅く自然に樹形が整う。ただ、樹高は10mにもなるから一定の高さで芯止めする必要がある。