新旧の「トップガン」2022年06月19日 21:37



『トップガン マーヴェリック』
原題:Top Gun:Maverick
製作:2022年 アメリカ
監督:ジョセフ・コジンスキー
脚本:アーレン・クルーガー、
   エリック・ウォーレン・シンガー、
   クリストファー・マッカリー
音楽:ハロルド・フォルターメイヤー、ハンス・ジマー
出演:トム・クルーズ、マイルズ・テラー、
   ジェニファー・コネリー

 最速で洋画興行成績を更新中の『トップガン マーヴェリック』。
 IMAXは席が予約できず、通常スクリーンもほぼ満席。観客の年代層は幅広く、男女比も同程度、もの凄い人気。
 物語も画面も小気味よいテンポでさくさくと進む。ご都合主義的な進行はあっても、野暮は棚上げしよう。これぞハリウッド映画、理屈なしに楽しめる。監督のジョセフ・コジンスキー、なかなかの遣い手とみた。
 音楽は旧作のハロルド・フォルターメイヤーに加えハンス・ジマーが参加、旧作の音楽とともに、ジマー特有の低音域を活かした執拗なリズムが興奮を駆り立て、レディー・ガガの歌も挿入される。
 旧作を知らなくても違和感はないだろうし、新作のあと旧作を観てもいい。鑑賞の仕方は自由。しかし、旧作を観ている者にとっては、新作のなかでの旧作の写真や動画の一場面の引用に胸熱になることは確か。マーヴェリック(トム・クルーズ)とアイスマン(ヴァル・キルマー)の友情や、グースの息子(マイルズ・テラー)との葛藤なども35年を経た旧作の物語をしっかりと踏まえている。
 『トップガン』のときのトム・クルーズは本当に若く、年上の恋人を演じたケリー・マクギリスが余りにも大人で魅力的で、つい、そちらに目がいってしまうことがたびたびだったけど、『トップガン マーヴェリック』における還暦間近のトム・クルーズの存在感は圧倒的。老いなど全く感じさせない。
 残念ながらケリー・マクギリスは、本人もインタビューに応えているが、年齢や容姿の関係で新作へのオファーはなかったらしい。その代わりを務めたのはアカデミー賞女優のジェニファー・コネリー。元恋人の設定で成熟した男と女を点景として描き出し、これがまた映画の清涼剤となっている。
 とにもかくにも、トム・クルーズ会心の一作、傑作のひとつが加わった。

『トップガン』
原題:Top Gun
製作:1986年 アメリカ
監督:トニー・スコット
脚本:ジム・キャッシュ、ジャック・エップス・ジュニア
音楽:ハロルド・フォルターメイヤー
出演:トム・クルーズ、ケリー・マクギリス、
   ヴァル・キルマー

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