レンブラントは誰の手に2021年03月31日 19:35



『レンブラントは誰の手に』
原題:My Rembrandt
製作:2019年 オランダ
監督:ウケ・ホーヘンダイク
脚本:ウケ・ホーヘンダイク
出演:ヤン・シックス、エリック・ド・ロスチャイルド、ターコ・ディビッツ

 レンブラントの絵画を巡る人間模様。記録だけでなく再現ドラマも混じっていると思うが、出演者はどうやら実在の人たち。
 レンブラントの価値そのものが天文学的な価格で計られるわけだから、所有者も取引に関わる関係者も上流階級の人たち。庶民には縁のない世界ではある。
 アムステルダムの貴族の家系に生まれた若き画商であるヤン・シックス11世(17世紀、先祖のヤン・シックスは、レンブラントのパトロンだった)が、レンブラント作品を新発見する顛末が中心に描かれるが、そのほか美術史の権威、修復家、美術鑑定士、富豪等レンブラントに魅せられた人々の情念の様々が興味深い。ロスチャイルド家から出た2点の夫婦像は、富豪どころかフランスとオランダという国家同士の争いとなり、大騒動のうえ共同所有という政治決着をみる。
 画面を通してもレンブラントの魅力は伝わってくる。ヨーロッパ貴族階層の所有地、家屋敷、収蔵品なども自然紹介されることになる。観ているだけで溜息がでる。退屈もせず100分の上映時間が、あっという間だった。