2023/6/4 髙木凜々子+中田延亮×神奈川フィル チャイコフスキー ― 2023年06月04日 19:04
神奈川フィルハーモニー管弦楽団
For Future 巡回公演シリーズ 海老名公演
日時:2023年6月4日(日) 14:00開演
会場:海老名市文化会館
指揮:中田 延亮
共演:ヴァイオリン/髙木 凜々子
演目:チャイコフスキー/弦楽セレナーデハ長調
Op.48より第1楽章
チャイコフスキー/ヴァイオリン協奏曲ニ長調
Op.35
チャイコフスキー/交響曲第5番ホ短調Op.64
オール・チャイコフスキー・プログラム。苦手のチャイコフスキーだから普段はこの手のチケットなど取らない。まして、海老名市まで遠征しない。
たまたま、先月の横浜定期が新日フィルの定期と重なったため、神奈川フィルの定期公演を振り替えた。振替先のリストをみると、どうやら「リバーサルオーケストラ」つながりと思しきプログラムが目に入った。で、こちらにお邪魔した次第。
日テレのドラマ「リバーサルオーケストラ」についての感想は以下。
http://ottotto.asablo.jp/blog/2023/03/16/9569780
新年早々にはじまり3月に全10話をもって終了したわけだが、ドラマの背景となった児玉交響楽団は神奈川フィルが務め、主人公の天才ヴァイオリニスト初音(門脇麦)の音源は髙木凜々子さんが受け持った。
チャイコフスキーの「ヴァイオリン協奏曲」は、初音のトラウマの原因となった曲であり、初音復活の切っ掛けともなった曲。ドラマが大きく展開する重要な局面で使われていた。そして、「交響曲第5番」はドラマの大詰め、西さいたま市シンフォニーホールのオープニング、高階フィルとの競演における勝負曲、大団円へと向かう曲である。さらに「交響曲第5番」は小編成にアレンジされ、ドラマ全体のテーマ曲としても採用されていた。
まさに、ミーハー的興味から聴きに来たわけだ。もっともチャイコフスキーなかでは「ヴァイオリン協奏曲」は比較的好きなほうだし、パシフィックフィルハーモニア東京(PPT)のコンマスとしても活躍をはじめた髙木凜々子さんへの関心もある。
海老名市文化会館の大ホールは座席数1100、ちょうど神奈川県立音楽堂と同じくらいの容量、ワンフローのみで2階席がないというのも似ている。JR相模線と小田急小田原線及び相鉄本線の「海老名駅」から徒歩5分程度だから意外とアクセスは良好だ。ただ、公共施設だというのに駅からの案内が見当たらない。西口を降りたら左手のほうへ人々が歩いて行くので、その流れに乗ったら無事文化会館へは着いたけど。
最初は、弦5部による「弦楽セレナーデ」、10分程度の1楽章のみ。コンマスはゲストの東亮汰、弦は12型。
続いて「ヴァイオリン協奏曲」。髙木凜々子さんはYouTubeで拝見するように、小柄で笑顔の素敵なお嬢さん。演奏もトリッキーではなく穏やかで丁寧、美音である。品のいいチャイコフスキーだった。
休憩後、「交響曲第5番」。劇伴音楽として切り取って用いられるとなかなか魅力的だが、音楽単体として聴くと、もうひとつ訴える力が弱い。旋律は親しみやすく、各楽器の音もそれぞれ良く鳴るように書かれている。ドラマチックな要素も思いっきりある。
でも、このままチャイコフスキーを聴けなくなったとしても残念とは思わない。たんに好き嫌いの問題かも。相性が悪すぎるのだろう。