2024/5/19 大井剛史×プロースト響 マーラー「復活」 ― 2024年05月19日 17:52
プロースト交響楽団 第39回 定期演奏会
日時:2024年5月19日(日) 13:30開演
会場:ミューザ川崎シンフォニーホール
指揮:大井 剛史
共演:ソプラノ/盛田 麻央
メゾソプラノ/加納 悦子
合唱/日本フィルハーモニー協会合唱団
演目:山田 耕筰/交響詩「曼荼羅の華」
マーラー/交響曲第2番 ハ短調「復活」
アマオケの完売公演に初めて遭遇した。プロースト響は設立して20年、130名の団員を抱えるという。特定の母体はないようだが、この集客力は凄い。数多くの招待客を含んでいるとしても2000席の会場をほぼ埋め尽くすとは大したものだ。プログラム、指揮者、ソリストの魅力が与っているのだろうか。
前半は山田耕筰の「曼荼羅の華」。留学先のベルリンで書いた単一楽章10分ほどの交響詩。大規模な管弦楽曲でリヒャルト・シュトラウスを範としているのだろう。ほの暗いロマンチシズムが濃厚にただよい「死と変容」の影響を感じる楽曲。日本人による大正時代の作品というには斬新で立派な音楽に吃驚した。
後半はマーラーの「復活」。アンサンブルの精度にちょっと難があり、大井剛史の指揮もときに弛緩が感じられ、余り演奏に集中できなかったが、間奏曲風の第2楽章と第3楽章はまずまず楽しめた。加納悦子の「原光」は大昔に何度か聴いている。貫禄の歌声だけどかなりお年を召された。盛田麻央のマーラーはN響との「交響曲4番」(室内楽版)を覚えている。
楽器編成は巨大で、弦5部にピッコロ持ち替えのフルート4、イングリッシュホルン持ち替えのオーボエ4、Esクラリネットを含めたクラリネット5(さらに一部バスクラリネット持ち替え)、コントラファゴット持ち替えのファゴット4、ホルンが舞台上6+舞台外4、トランペットが舞台上6+舞台外4(終盤、別動隊の8人は舞台に登場。ホルンとトランペット各10人が並ぶ)、トロンボーン4、テューバ、ティンパニ2組(奏者は3人必要)、大太鼓、シンバル、大小のタムタム、トライアングル、小太鼓、グロッケンシュピール、鐘、むち、ハープ2、オルガン、加えて舞台外にティンパニ1組、大太鼓、シンバル、トライアングル、以上が管弦楽。そして、ソプラノ、アルト独唱と混声合唱。
ふぅ~、新しい交響曲の誕生である。