2024/8/24 鈴木秀美×セレスチャル響 ベートーヴェンとドヴォルザーク ― 2024年08月24日 17:20
セレスチャル交響楽団 第5回演奏会
日時:2024年8月24日(土) 13:30開演
会場:ミューザ川崎シンフォニーホール
指揮:鈴木 秀美
共演:ヴァイオリン/荒木優子(コンマス)
チェロ/島根朋史(首席チェロ)
演目:ベートーヴェン/交響曲第7番 イ長調 作品92
ドヴォルザーク/交響曲第8番 ト長調 作品88
セレスチャル響は設立してまだ間もないアマオケ。メンバーは80人ほどで、神奈川県を中心に活動しているようだが、プログラムノートにも詳細な紹介がない。ざっと見渡すと男女比率半々、40代50代が中心のようだ。60歳以上らしきメンバーも結構いる。学生オケを母体とするアマオケでよくみられる20代はほとんどいない。熟年集団である。
過去の演奏会記録を見ると、飯森範親や下野竜也、坂入健司郎など、主にプロオケで活動する指揮者を積極的に招聘している。鈴木秀美とは二度目の顔合わせらしい。
今回はバッハ・コレギウム・ジャパン、オーケストラ・リベラ・クラシカ、レ・ボレアードなど日本における代表的な古楽団体のメンバーである荒木優子と島根朋史がコンマス及び首席チェロとして参加しており、バロック奏法でのアプローチとなるのだろう。鈴木秀美のベートーヴェンやドヴォルザークも興味深い。
最初がベートーヴェンの「交響曲第7番」。首都圏のアマオケはアマチュアらしからぬ演奏水準に感心することが多いが、セレスチャル響はそれほどでもない。アンサンブルが粗く音が濁りがち。各パートとも技術的にちょっと物足らない。ヴィブラートが少な目の弦もアマチュアとっては厳しいハードルだったかも知れない。ベートーヴェンはオケの弱点がかなり目立つことになってしまった。
しかし、後半、メンバーが増強されトロンボーンやチューバなども加わったドヴォルザークの演奏は、第2楽章における客演の荒木優子のソロや、最終楽章ではチェロの首席を務めた島根朋史のリードもあって見違えるよう。全体的にはテンポを適度に揺らせながら気持ちを込めた鈴木秀美の音楽つくりが鮮やか。何の衒いもなく素直に感情をのせたドヴォルザークの旋律が心地よく、最初から最後まで楽しませてくれた。