7月の旧作映画ベスト3 ― 2024年07月31日 08:54
『トーマス・クラウン・アフェアー』 1999年
スティーヴ・マックイーン&フェイ・ダナウェイの『華麗なる賭け』のリメイクだという。スティーヴ・マックイーンは好きな男優の一人だったから観ているはずだけど、どうにも記憶があやふや。それはさておき、この映画、大富豪のトーマス・クラウン(ピアース・ブロスナン)は名画を盗むことを道楽としている。そのトーマスを保険会社の敏腕調査員キャサリン・バニング(レネ・ルッソ)が追う。敵味方で危うい駆け引きを重ねるうち愛が芽生える。しかし、お互い疑心暗鬼、二人は愛と信頼を賭けにして最後の闘いを挑む。大人のしゃれたラブロマンス。ピアース・ブロスナンの知的で華麗な物腰はジェームス・ボンドを超えるかも。レネ・ルッソは成熟した女性を魅惑的に演じる。オリジナルから30年後のフェイ・ダナウェイがトーマスを診断する精神科医役というおまけつき。監督は『ダイ・ハード』のジョン・マクティアナン。ノリの良い音楽は『ロッキー』シリーズのビル・コンティ。
『マイ・インターン』 2015年
ファッションサイトのCEO役のアン・ハサウエイはもちろん可愛くて素敵なのだけど、その会社にシニア・インターンとして採用され、彼女の部下となったロバート・デニーロが抜群の好感度をみせる。こんなにチャーミングで頼もしい70代がいるのだろうか。映画を観ているあいだ中、頬は緩みっぱなし、ほっこり幸せな気分になれる。そうそう彼の交際相手としてレネ・ルッソも出演している。アン・ハサウエイは『プラダを着た悪魔』でメリル・ストリープを相手にし、この映画でロバート・デニーロと四つに組む。彼女は酒場で若い男性社員を前に「なぜ男は一世代でここまで変わったの?ニコルソンやハリソン・フォードから…ベン(ロバート・デニーロ)をみて、絶滅危惧種よ、彼から学んで、これぞ“いい男”よ!」と。映画の台詞としてではなく本音に思える。名優二人と共演してきたアン・ハサウエイは、なんて恵まれた女優なのだろう。監督・脚本は『ホリデイ』のナンシー・マイヤーズ。
『オペレーション・フォーチュン』 2023年
英国諜報局のエージェント、オーソン・フォーチュン(ジェイソン・ステイサム)に闇取引されるヤバイ兵器を回収せよ、とのミッションが下された。フォーチュンは天才ハッカーや新人スナイパーなどとチームを結成しオペレーション開始だ。何も知らないハリウッドスターまで無理やり巻き込み、大富豪の武器商人に接近する。フォーチュンは素手であらゆる敵を殲滅する最強のスパイ。肉弾戦、銃撃戦、カーチェイス、空中戦など全てにおいて最強かつ無双。ユーモアもたっぷり。成功は約束されているようなものだから安心して観ることができる。それで面白いか? と問われれば、それでも面白い。数ある人気スパイ映画のいいとこどりで、ジェイソン・ステイサムのナンバーワン映画として推薦したいくらい。監督は『シャーロック・ホームズ』シリーズや『ジェントルメン』のガイ・リッチー。ガイ・リッチーとステイサムは5度目のタッグだという。もうこうなると盟友。夏の暑さをぶっ飛ばすには最高の映画だ。