2023/7/15 小泉和裕×神奈川フィル ブラームス「交響曲第4番」2023年07月15日 18:59



神奈川フィルハーモニー管弦楽団
 みなとみらいシリーズ定期演奏会 第387回

日時:2023年7月15日(土) 14:00開演
会場:横浜みなとみらいホール
指揮:小泉 和裕
演目:ベートーヴェン/交響曲第8番 ヘ長調Op.93
   ブラームス/交響曲第4番 ホ短調Op.98
 
 
 先日、外山雄三さんが逝去された。神奈川フィルの第2代音楽監督だったという。開演前、オケのメンバーが舞台に揃ったあと会場の照明を落として黙祷。
 そのあと、チューニング。コンマスはゲストの松浦奈々。松浦さんは日本センチュリー交響楽団(大阪)のコンマス。
 そして、小泉さんが登場。小泉さんは神奈川フィルと前々回が「エロイカ」前回が「春」で、今回はブラームスの「第4番」とベートーヴェンの「第8番」を組み合わせた。交響曲指揮者としてのプログラムが続く。

 ベートーヴェンの「交響曲第8番」は、快速で強弱の対比をはっきりさせた激しい演奏。軽快でしゃれた感覚にはほど遠い。音色がモノトーンのようで重々しく感じた。30分弱の小さな交響曲だが、あまりに構えが大きくてビックリ。ちょっと好みの演奏とは違った。

 ブラームスの「交響曲第4番」は、小泉さんの重量感あふれる解釈がプラスに働いた。弦は14型だけどコントラバスを増強。全体は絵具を何色も塗りこめたような音で構成され進行する。ときとして木管、金管の各楽器の解放される瞬間がハットするほど美しい。小細工をせず楽譜を信じて、真正面からブラームスに向き合った演奏。愚直で律儀で、それでいて一瞬匂いたつような、目の詰まった圧巻の音楽で満足させてくれた。