2023/2/19 トルトゥリエ×都響 「スペイン交響曲」と「幻想交響曲」2023年02月19日 19:19



東京都交響楽団 第968回定期演奏会Cシリーズ

日時:2023年2月19日(日) 14:00開演
会場:東京芸術劇場コンサートホール
指揮:ヤン・パスカル・トルトゥリエ
共演:ヴァイオリン/ベンジャミン・ベイルマン
演目:ラロ/ヴァイオリン協奏曲第2番 ニ短調
      op.21 「スペイン交響曲」
   ベルリオーズ/幻想交響曲 op.14


 休日の昼下り、ポピュラ―な曲、というわけか、3階に少し空席があったけど、ほぼ満杯。
 指揮者のヤン・パスカル・トルトゥリエは、往年の名チェリスト、ポール・トルトゥリエの長男で、もう70歳も半ば。
 ソロはアメリカの若手ヴァイオリニスト、ベンジャミン・ベイルマン。使用楽器は日本音楽財団から貸与された1740年製のグァルネリ・デル・ジェス「イザイ」。名前の通り、過去、ウジェーヌ・イザイが所有し、その後アイザック・スターンが愛用していたという名器。

 ベイルマンのヴァイオリンは、艶のある音でよく歌っていた。「スペイン交響曲」3楽章の物憂げな間奏曲や、4楽章の哀愁をおびた甘美な緩徐楽章をじっくりと聴かせてくれた。ただ、ところどころオケが鳴りすぎて邪魔をしていたのが勿体ない。。
 アイザック・スターンの生は聴く機会をもたなかったが、彼が使用した楽器の音は確認できたことになる。
 なお、以下の日本音楽財団のHPからは、楽器貸与の実際を知ることができる。

 https://www.nmf.or.jp/

 トルトゥリエは、大柄な体躯を上下色違いのスーツで身を包み舞台にあがった。下は黒、上着はダークグレイとなかなかシックな装い。音楽は豪快で金管を盛大に鳴らす。タクトは持たず腕の振りが大きく精力的な指揮ぶり。
 休憩後の「幻想交響曲」。服装は粋だけど、音楽が粋とは限らない。テンポ設定や、休止の処理、楽想が転じるときの間合い、音量の推移などに違和感があった。迫力満点で豪壮ではあったが。
 この曲、夢中にさせてくれると、あっという間に終わってしまう。今日は演奏時間が長く感じた。オケの管楽器ソロや弦の合奏なども美しい瞬間があまりなかった。
 フルネが懐かしく思い出される。日曜日の残念な午後だった。

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