e-Tax ― 2025年03月13日 16:49
はじめてe-Taxを使って確定申告をした。
毎年、下書きから電卓を何回も叩き、清書のときに検算し、書き間違えや計算違いがないかを確認したうえ、電車に乗って、あるいは車を運転して税務者まで出向き、ひどいときは30分も40分も並んだすえ提出する、という難行苦行を繰り返していたが、ようやくPCの前に座ったままで申告することができた。
昨年、利用者識別番号とパスワードを事前に手続きしておいたので、これでe-Taxにログインした。あとは指示通り進んでいくとスムーズに申請書が完成し、電子送付することができた。
e-Tax側からは途中途中しつこいくらい確認表示がなされるから間違えようがない。なにより自動計算してくれるのが有難い。結果はpdf形式で手元のPCにダウンロードできる。また、今回のデータを保存すれば、次回そのデータを呼び込み、修正追加して新たな申告書を作成することも可能なようだ。
本当に便利で、なぜもっと早く利用しなかったのかと後悔するばかり。それに納付はともかく還付されるケースでは書面提出より迅速に処理されるという。
しばらくして、都内に住む子供から連絡があり、臨時の収入が発生し確定申告をしなければならないので手伝ってほしい、と実家に戻って来た。
とりあえず、二人して事前準備がないままマイナンバーカードでe-Taxにログインを試みた。が、電子証明書の有効期限が切れている、パスワードを覚えていない、となって電子送付ができない。
仕方ないので電子送付は諦め、書面提出に切り替えることに。それでも手書きよりはe-Taxを活用して申告書を作成したほうが余程簡単だ。後日、出力した結果を所轄へ提出したとのことで、こちらも無事済んだ。
もちろんe-Taxを完璧に使いこなせてはいないから習熟は必要だけど、これからは何とか電子申告ができる。ずいぶん気が楽である。
ほっとして気が付くと、沈丁花のいい香りが匂ってきた。ここ数日は天候も不安定で寒暖の差も大きいが、そろそろ春本番である。来月には沈丁花の挿し木に挑戦してみようか、とぼんやり考えている。
2025/2/24 カシオペイアSQ 「MISHIMA」と「アメリカ」 ― 2025年02月24日 19:02
かなっくクラシック音楽部 フロイデコンサート
日時:2025年2月24日(月・祝) 14:00 開演
会場:かなっくホール
出演:カシオペイア・クァルテット
ヴァイオリン/渡辺 美穂
ヴァイオリン/ビルマン 聡平
ヴィオラ/村松 龍
チェロ/弘田 徹
演目:バーバー/弦楽四重奏曲第1番 Op.11
グラス/弦楽四重奏曲第3番 「MISHIMA」
ドヴォルザーク/弦楽四重奏曲 第12番
「アメリカ」
フィリップ・グラスの「MISHIMA」を聴きたくてチケットをとった。前後には「弦楽のためのアダージョ」と「アメリカ」という鉄壁のプログラム。
カシオペイアSQは、かなっくホールを拠点とする四重奏団、新日フィルの弘田とビルマン、N響の村松、そして、紅一点渡辺美穂で編成されている。以前、モーツァルトとシューベルトを聴いている。
最初がバーバーの「弦楽四重奏曲第1番」。この第2楽章を弦楽合奏に編曲したのが有名な「弦楽のためのアダージョ」。さらに、第2楽章は無伴奏混声合唱曲「アニュス・デイ」としても編曲されているらしい。
オリジナルの弦楽四重奏曲は、第1楽章と第3楽章が鋭く激しく切り裂くような曲調で、間に挟まれた第2楽章が別世界のような美しい音楽となっている。途中、三重奏となって第1Vn.と第2Vn.が交代で休止する。このため渡辺美穂のソリストらしい華やかな音と、ビルマン聡平の地味ではあっても奥行きのある音との対比が絶妙で、深い哀しみのなかに安らぎと癒しが浮かび上がってくる。それにしてもこの曲、バーバー26歳のときの作品というが信じられないほどの完成度である。
グラス「MISHIMA」のSQ版は、もちろん映画「MISHIMA」のための音楽を土台にしている。昨年聴いたピアノ協奏曲版はグラス本人ではなく、マイケル・リースマンが編曲したものだけど、SQ版はグラス自らが筆をとった。演奏するに15分から20分ほどの長さで、1.受賞のモンタージュ、2.市ヶ谷、3.祖母と公威、4.ボディビル、5.血の誓い、6.三島/エンディング、の6つの曲から成る。
音楽はひたすら内面に向かう。反復と断絶、漸増と漸減、高揚と抑制を繰返しながら進行する。鬱屈した精神に悲壮な決意が充填される。カシオペイアSQの寄せては返す波のような音のうねりに身を委ねていると、三島の生涯が重なり押しつぶされそうになる。今年は三島由紀夫の生誕100年である。
最後はドヴォルザークの「弦楽四重奏曲第12番」、“アメリカ”の愛称で親しまれ、「新世界より」「チェロ協奏曲」と並ぶ滞米中の代表作。異文化を背景に故郷への愛情や郷愁が色濃く反映している。
第1楽章はアレグロ、ゆったりとしたボヘミア民謡風の旋律で開始される。有名なこの主題はその後の楽章にも形を変えて出てくる。村松龍のヴィオラがしっとりとした旋律を奏でる。展開部ではフーガ的な音の動きが興奮をよぶ。第2楽章はレント、郷愁をさそう伸びやかな緩徐楽章。黒人霊歌に着想を得たといわれる歌謡的な部分が印象的。それぞれの楽器に短いソロが用意されていて、ここでも渡邊とビルマンの色合いの違いが活かされていた。弘田徹の深々としたチェロの響きで終わる。第3楽章はスケルツォ。ボヘミアの舞曲による主題が使われているようだが、軽快なリズムに彩られ、鳥のさえずりも引用されている。第4楽章フィナーレ、リズミカルな主題はネイティブアメリカンの影響だという。力強い副主題と讃美歌的な旋律との対比が鮮やか。最後は激しい気迫で4人揃ってコーダへ雪崩れ込んだ。
アンコールは松任谷由実の「春よ、来い」を披露してくれた。そう、あと数日すれば3月、春到来である。今年も時間は足早に過ぎて行く。
イベリスとサントリナ ― 2025年02月19日 16:20
煉瓦積み風の小さなブロックプランターが4つある。
季節に応じてさまざまな花を植えてきたが、ここ数年はほとんど手入れをしていない。
今では「カーネーション」のみが生き残り、プランターのひとつを占領し、あとの3つは空地のまま雀の砂浴び場となっていた。
さすが冬は花が少なくて寂しい。
で、先日、近くの花屋を覗いたら「イベリス」を売っていたので衝動買いをした。
「イベリス」はスペインやポルトガルのあるイベリア半島で自生していることから名づけられた。1年草と多年草があって、これは「宿根イベリス」となっている。白い金平糖が集まったような花が愛らしい。
多年草とはいっても日本の夏を越すのは難しく過去に失敗している。もう一度挑戦するつもり。これでひとつのプランターが埋まった。
数日たって、同じ花屋を訪れると「サントリナ」という花名が目についた。
細かく枝分かれした銀白色のハーブのような佇まいで、名前からして「サフィニア」みたいにサントリーが企画した新品種か、と思って店の主人に聞いてみた。
主人曰く、デイジーの仲間でありながら別名は「コットンラベンダー」というハーブの一種、地中海沿岸原産の防虫効果がある低木で宿根草のように育てることができる。サントリーとは関係がない。姿形に特徴があり、初夏には黄色い花をつけるし、なんならドライハーブにもできる、云々。営業トークにほだされて購入した。
あとで調べてみると「サントリナ」という名の由来は、ラテン語の「sanctum(聖なる)」と「linum(亜麻)」が合わさって「Santolina」となったという。
これで、4つのブロックプランターが埋まった。
「イベリス」はすでに6つ7つの白い花が咲き可愛い。「サントリナ」は2つのプランターに分けて植えたが、こんもりとした全体の姿と、枝というか葉というか微妙な色合いが美しい。ただ、今のところハーブらしい匂いは感じられない。数年前からの「カーネーション」もナデシコ科のせいか地植えに耐え丈夫である。
もう少し花壇の手入れに力を入れなければならない。
初詣 ― 2025年01月02日 16:55
ちゃんとした信心があって、毎年、何処と決めているわけではない。初詣のことである。
年末年始に旅行をしていたころは、伊勢神宮や出雲大社、八坂神社や北野天満宮などにもお参りをした。近年は鶴岡八幡宮や氷川神社、あるいは付近の熊野神社や八幡神社、稲荷神社など、その年の気分で様々だけど、川崎大師へ出向くことが数多いかも知れない。
もっとも初詣といっても混雑が嫌で必ずしも幕の内に参拝するのではなく、節分近くになることもよくある。いかに真っ当な信仰心を持ち合わせていないかよく分かるが、今年は寒川神社にお参りしようと思いつき出掛けた。正月三が日の初詣とは最近珍しい。
東海道線は激混み、茅ヶ崎まで立ちっぱなし。熱海行きの列車だった。正月早々皆さんどこまで行くのだろう。茅ヶ崎で相模線に乗換え宮山で下車、案の定駅から神社までは人の列だ。仕方ないから持久戦を覚悟し道中の蕎麦屋で腹ごしらえをした。
参道の鳥居前はごった返しており、立ち入り規制もあって身動きできない。それでも30分ほどしたら集団がそろりそろりと歩き出し、1時間もしないうちに境内に入ることが出来た。
寒川神社は相模国の一之宮、1600年の歴史を誇り八方除の守護神で関八州総鎮護だという。八方塞を除く広大無辺の御神徳を戴く。境内は広く本殿は豪壮、二礼二拍手一礼し無事初詣を終えた。
帰りは神社と海老名駅を結ぶシャトルバスが運行されていたのでこれを利用し、相鉄線経由で帰宅した。往路の南回りも復路の北回りも時間的にはほぼ同じだった。
冬の紅葉 ― 2024年12月16日 16:17
好い天気が続いている。近辺は12月になってからが紅葉の見頃である。
2株植えてある「ドウダンツツジ」が殊のほか見事に色づいた。4、5年経ってようやくここの土に馴染んだようだ。
昔、地方に住んでいたとき玉仕立てにした「ドウダンツツジ」を育てていたが、11月には綺麗に紅葉していた。土地や気象、気温の按配などで差がでるのだろう。
いまの2株は放任しっぱなしの自然樹形だけど、それほど見苦しくない。このまま生長を見守っていくつもりだ。
いつも旺盛な「五色南天」も上部が赤く染まってきた。これまで肥料を与えすぎたせいか新芽を勢いよく伸ばし、「五色南天」とは名ばかりで冬になってもほとんど全体が緑色のままだった。昨年から栄養過多を少し調整してみたら上手く色づいた。
「山法師」は相変わらず花と実の気配がないものの、だいぶしっかりしてきた。大きめの葉が紅くなるまえに落葉していたものが、今年は深紅の葉をたくさん残して目を楽しませてくれる。
ついでに、根元にある「オキザリス」は太陽に向かって小さな薄紅色の花をつけている。何の手入れもせず放置していても冬のあいだ絶え間なく貴重な花を咲かせる。
残念なのは「出猩々」を枯らしてしまったことだ。地方に居たときにも「モミジ」を駄目にしている。素人の荒っぽい剪定が原因だと思う。紅葉の代表選手を欠くのは惜しい。改めて挑戦してみようか、という気がないわけではないが、しばらくは大人しくしていたほうがよさそうだ。
同じ紅葉といっても色合いも姿形もそれぞれ。もう秋とはいえない冬のひととき、目の保養をさせてもらえるのは有難い。