池のある公園2025年07月31日 17:24



 住宅地の真ん中に小さな池がある。池の周りには遊歩道が作られていて、その一部は擬木の橋となって水面の上を散策できるようになっている。一周しても5分くらいの本当に小さな池で、もとは自然の溜池なのか、人工物なのか、よく分からない。
 池には睡蓮が浮かべてありカルガモなどが泳いでいる。睡蓮の花をみながらカルガモに餌をやりつつ歩くこともできる。岸辺ではいつも何人かの釣り人が糸を垂れている。釣った獲物は持ち帰えることができるのか、それとも池に戻すのか、これも分からない。

 池に隣接して池の面積の半分ほどの広場がある。時間帯によって老人たちがゲートボールに興じたり、小学生がキャッチボールをしている。サッカーボールを蹴っていることもある。
 広場の奥にはイチョウやトチノキ、モッコクなどの大木が茂っており、ブランコ、滑り台、鉄棒といった遊具や、背伸ばしベンチ、ぶら下がり棒、腰ひねり棒などストレッチ用の器具が設置されている。よく保育園児が集団で遊びに来る。乳母車をひいたお母さんたちが談笑するにも具合がいい。
 遊具やストレッチ用の器具の上空は、樹々の葉影が広がり緑の天幕に覆われているよう。酷暑のなか木漏れ日を浴びながら身体を動かしていてもあまり暑さを感じないのが有難い。

 夏の散歩には格好な場所で、ここを目的地にして最近は毎日のように通いつめている。

イベリスとサントリナ2025年02月19日 16:20



 煉瓦積み風の小さなブロックプランターが4つある。
 季節に応じてさまざまな花を植えてきたが、ここ数年はほとんど手入れをしていない。
 今では「カーネーション」のみが生き残り、プランターのひとつを占領し、あとの3つは空地のまま雀の砂浴び場となっていた。

 さすが冬は花が少なくて寂しい。
 で、先日、近くの花屋を覗いたら「イベリス」を売っていたので衝動買いをした。
 「イベリス」はスペインやポルトガルのあるイベリア半島で自生していることから名づけられた。1年草と多年草があって、これは「宿根イベリス」となっている。白い金平糖が集まったような花が愛らしい。
 多年草とはいっても日本の夏を越すのは難しく過去に失敗している。もう一度挑戦するつもり。これでひとつのプランターが埋まった。

 数日たって、同じ花屋を訪れると「サントリナ」という花名が目についた。
 細かく枝分かれした銀白色のハーブのような佇まいで、名前からして「サフィニア」みたいにサントリーが企画した新品種か、と思って店の主人に聞いてみた。
 主人曰く、デイジーの仲間でありながら別名は「コットンラベンダー」というハーブの一種、地中海沿岸原産の防虫効果がある低木で宿根草のように育てることができる。サントリーとは関係がない。姿形に特徴があり、初夏には黄色い花をつけるし、なんならドライハーブにもできる、云々。営業トークにほだされて購入した。
 あとで調べてみると「サントリナ」という名の由来は、ラテン語の「sanctum(聖なる)」と「linum(亜麻)」が合わさって「Santolina」となったという。

 これで、4つのブロックプランターが埋まった。
 「イベリス」はすでに6つ7つの白い花が咲き可愛い。「サントリナ」は2つのプランターに分けて植えたが、こんもりとした全体の姿と、枝というか葉というか微妙な色合いが美しい。ただ、今のところハーブらしい匂いは感じられない。数年前からの「カーネーション」もナデシコ科のせいか地植えに耐え丈夫である。
 もう少し花壇の手入れに力を入れなければならない。

せせらぎ緑道2024年01月10日 14:10



 交通量の多いバス通りから一本入ったところに小川が流れている。バス通りに並行し東西に流れる本川と、途中から寺の横を北に向かう支川とに分かれている。小川といっても自然の川ではなくて、市街化に伴い汚染されてしまった水路を親水空間として再生したものらしい。

 流れる水は下水処理場によって高度処理され、自然の小川を模した蛇行するせせらぎと、川に沿った遊歩道が整備されている。本川も支川も歩くとそれぞれ30分くらいかかる。川の両岸には戸建てやマンションなどが切れ目なく並んでいるから解放感はあまりない。そのかわりバス通りの騒音はほとんど気にならない。

 小川は人工的に造られたものとはいえ、自然石や土管、樹木などの材料を巧みに使っている。水草が繁茂し、鯉や小魚、ザリガニなどの水生生物も生息している。さまざまな野鳥が寄り付き、街中では珍しいコサギを見かけることもある。水深は最大で30cmくらい、浅いところでは10cmもないように見える。整備されてからけっこう年数が経っているので自然の景色にも負けないくらいだ。
 川沿いの遊歩道は狭いながら草花が植えられベンチもあって、散策するに気持ちがよい。老人や子供、ベビーカーのお母さんたちが行き交っている。「自転車は降りてください」と案内されているのに、たまに自転車に乗ったまま走り去る怪しからん輩がいることが残念だけど。

 この「せせらぎ緑道」まで家からは距離があり気楽に利用できないが、通院のついでに散歩をしている。「鯉に餌をやるな!」との注意書きはないようだから、今度は餌持参で訪れてみようかと思っている。

ドリーム・ホース2023年02月01日 14:23



『ドリーム・ホース』
原題:Dream Horse
製作:2020年 イギリス
監督:ユーロス・リン
脚本:ニール・マッケイ
音楽:ベンジャミン・ウッドゲーツ
出演:トニ・コレット、オーウェン・ティール、
   ダミアン・ルイス


 動物映画にハズレがないとは良く言ったもので、この作品も心地よい感動を呼ぶ。
 グレートブリテン島南西部、ウェールズの小さな町に住む主婦ジャン(トニ・コレット)は、無気力な夫ブライアン(オーウェン・ティール)との二人暮らし。バーとスーパーマーケットのパートを掛け持ちしながら、両親の介護に追われている。
 ある日、勤めているバーで会計士のハワード(ダミアン・ルイス)から馬主をしていたという体験談を聞く。ジャンは味気ない日常からの脱出をめざして一念発起、競走馬について独学で勉強し、貯金をはたいて牝馬を購入、有望な血統の種馬を見つけ交配させる。
 しかし、自分の収入だけで競走馬を育てることは難しい。町の人達に向け出資を募る。ジャンの熱意に感化された人々は、週に10ポンドずつ出しあって組合馬主になる。組合設立の会合で「儲けではなく欲しいのは胸の高鳴りだ」、と皆は言う。ジャンは仔馬をレースに出場させるという夢があって毎日が輝いてくる。20人の共同馬主たちも胸のときめきを隠せず、平凡な日々の生活が徐々に変わっていく。
 トニ・コレットは、ありきたりの中年主婦が目標に向かって邁進していく姿を好演。オーウェン・ティールも駄目亭主ながら包容力を秘め、いつも女房の味方となって憎めない。ダミアン・ルイスは馬好きの正義感あふれる人物を鮮やかに演じる。組合馬主たちも一人ひとりが個性的で、彼等の喜怒哀楽が画面いっぱいに広がる。

 ドリーム・アライアンス(夢の同盟)と名付けられた仔馬は、ジャンたちの愛情を受けて成長する。仔馬の大きな優しい瞳と甘える仕草が途轍もなく可愛い。そして、ジャンの行動力によって、一級の調教師にも面倒をみてもらえることになった。
 逞しく育った仔馬は、障害レースで着実に成績を残していく。カメラは躍動感たっぷりの走りと、迫力あふれるレースの光景を様々な角度から臨場感豊かに捉え、観る者を興奮させる。
 映画の終盤ともなると、ドリーム・アライアンスは、もはや映画の中にとどまらず、映画の観客すべての競走馬となる。レースで足の腱を故障するというアクシデントを乗り越え、1年半ぶりに再びレースへ復帰する。それはウェールズにおける最高峰の障害レース「ウェルシュナショナル」の舞台である。映画の観客たちは手に汗握り、息をのみ、懸命に応援することになる。
 絵に描いたようなサクセス・ストーリーだが、実話に基づいているという。馬主なんぞ富裕な人々の楽しみのはずで、その世界に平民階級の人馬が勝負をいどみ奇跡を起こす。うらぶれたウェールズの片田舎の町にも活気が満ち溢れてくる。爽快な大団円である。

 音楽はベンジャミン・ウッドゲーツ。素朴な音楽と荘厳な音楽とを対比させ、レース場では馬たちの疾走感をいやがうえにも盛り上げる手腕が素晴らしい。加えて「ウェルシュナショナル」の開会式で、南ウェールズ出身のメゾソプラノ、キャサリン・ジェンキンスが歌うウェールズ国歌が胸熱だ。
 エンドロールでは、映画のモデルとなった本人たちも登場し、出演者と肩を並べ、キャストを含め、やはり南ウェールズ出身のトム・ジョーンズの「デライラ」を合唱するというキュートな映像が流れる。誰しもが幸せな気分になれる一作である。

砂浴び2023年01月19日 11:48



 こじんまりとした花壇が設えてある。正方形と長方形の小さなブロックプランターを2個ずつ並べたもの。そこに季節ごとの様々な花をとっかえひっかえ植えてきた。
 いまはナデシコとウインターコスモス、それにカーネーションが元気で、3個のプランターを1年以上も占領している。残りの1個はケイトウを駄目にしたあと、そのまま空き地になっている。

 最近、その空いた花壇にスズメがやってきて、砂浴びをするようになった。
 ある日の朝、20羽近くが集まった。ほとんどのスズメは庭の土のうえを飛び跳ねながら何かを啄んでいるのだけれど、そのうちの3羽ほどが交代で砂浴びをしだした。足と嘴と頭で花壇の土をかき分け、羽をふくらましてブルブルする。ひと時、砂浴びをして立ち去ったあとには、とうぜん穴ぼこができていた。
 庭に餌をまいているわけでない。プランターには砂でなく培養土が入っている。スズメが寄りつくのも砂浴びをするのも理由はよくわからない。

 毎日ではなくたまのことであっても、このスズメたちの仕草はなかなか愛らしい。思わず見とれてしまう。シジュウカラやメジロ、ヒヨドリなども訪れるが、スズメほど大胆ではない。地面には降りないし、窓の内側の人の気配を感じると逃げてしまう。
 ありきたりのスズメとはいえ、こんな何の取り柄もなく面白味のない狭い庭に来て、気持ちよく戯れてくれる。その親しげな姿は可愛くて癒される。

 この穴ぼこの小さな花壇、しばらくはこのまま放置しておこうかと思っている。