2021/11/25 ランチタイムコンサート 歌曲からオペラまで ― 2021年11月25日 14:47
ランチタイムコンサート
声とピアノの魅力を味わう~歌曲からオペラまで
日時:2021年11月25日(木)11:00
会場:かなっくホール
出演:ソプラノ/中江 早希
バリトン/大山 大輔
ピアノ/宇根 美沙恵
演目:歌曲から
Japanese Songs Medley(編曲:直江香世子)
くるみの木(R・シューマン)
ツェツィーリエに(R・シュトラウス)
落葉松(小林秀雄)
献呈(R・シューマン=リスト)
モーツァルトのオペラから
恋を知る男たちは<魔笛>
窓辺においで・ぶってよマゼット
<ドン・ジョバンニ>
女よ、君らはよく浮気する・岩のように動かずに
<コシ・ファン・トゥッテ>
すべては静かにして穏やか<フィガロの結婚>
昼前の1時間、ワンコインで楽しめるランチタイムコンサート。
日本の四季の歌のメドレーからはじまり、シューマンとR・シュトラウスのリートが来て、また日本の歌に戻った。前半の終わりはピアノ独奏で「献呈」。
こうして、日本とドイツの歌曲を一緒に聴くと、日本の歌は、そのエネルギーが外側に発散することなく内側へ向うような感じがする。母音の多さも原因しているのかもしれない。どの曲も内省的でほの暗く一抹の寂しさが漂っていた。
後半は、モーツァルトの4大オペラから。
パパゲーノがパミーナに出会って二人で歌う「恋を知る男たちは」。男女の真心がこもっていて、聴くたびに目頭が熱くなる。しかし、この歌、なぜパミーナの相手がタミーノではなくパパゲーノなのか、いつも不思議に思う。
「ドン・ジョバンニ」からの2曲は、「魔笛」とは反対に相手をたぶらかそうとする歌。モーツァルトは極めて単純なメロディーでもって、物事の真と偽の違いをさらりと書き分けてしまう。
「コシ・ファン・トゥッテ」で描く男からみた女の正体と、女自身の決意は如何に。フィオルディリージの「岩のように動かずに」は、しまいには「許してよ恋人よ」となってしまうが。
「すべては静かにして穏やか」は、「フィガロの結婚」におけるフィナーレ、場面は庭のあずまや。スザンナとフィガロのちょっと滑稽にしてほろりとするやりとり。ここでのソリストは、まるでオペラの舞台上のような演技を伴って歌ってくれた。
ソリストの2人はともに艶のある声で表情豊か。モーツァルトを得意としている。改めて、モーツァルトのオペラの魅力を思い出させてくれた。