金木犀(キンモクセイ)2021年09月16日 09:25



 街を歩いていると、金木犀が匂ってくる。例年より少し早い。秋到来である。
 しかし、うちの金木犀は、今年も花をつけそうにない。花どころか生命さえ覚束ない。葉を数えるとわずか10枚ほど、色も深緑のはずが黄緑に変色している。

 数年前に庭らしきものを造り始めたとき、三大香木といわれるクチナシ、沈丁花、金木犀をいっぺんに植えた。
 クチナシが一番威勢が良く、毎年たくさんの花をつけ株も大きくなった。
 沈丁花は、花を咲かせるものの成長が緩慢で、ひところは葉も萎れ危なかった。最近は新芽を吹いて持ち直してきている。
 金木犀だけはだんだん元気がなくなって行く。もともとが1m足らずの幼木だったから、花を見るには数年我慢しなければならないと知ってはいるが、2年3年経っても背丈は伸びず落葉するばかり。新しい葉も生えてこない。

 金木犀は、樹皮がサイ(犀)の皮膚に似ているため木犀と名付けられ、仲間に銀木犀や柊がある。江戸時代に中国から渡来したというのが通説、日本で生み出されたという異説もある。育成がとりたてて難しい樹木ではないが、うまくいかない事例もあるのだろう。
 近所の金木犀の香を羨ましく思いながら、何とか快復を、と祈るばかりである。

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